あなたがもし、前歯の見た目や色のことでコンプレックスを持っているとしたら、どうしますか。特に、気軽にできるホワイトニングでは白くできないタイプの変色であったら、目立つ部分だけに、悩みは大きいものでしょう。そんな場合に、審美歯科ではどんな治療法があるのでしょうか。
ホワイトニングでは白くならないタイプの歯の変色のひとつに、テトラサイクリン系の変色があります。これは、幼少期に抗生剤を服用したことによる副作用です。前歯に茶褐色か、グレーがかったラインが入るのが特徴です。これに対して審美歯科でよく用いられる治療法は、主にラミネートベニアとセラミッククラウンです。ラミネートベニアは、歯の表面をごくわずかに削り、そこに付け爪タイプのシェルを貼り付けます。希望の白さを選ぶことができ、少しなら歯の大きさを変えることもできます。治療も早ければ２回ほどですみます。しかし、歯の向きを変えることはできないため、並び方を整えることはほとんど不可能です。
これに対し、セラミッククラウンは、もとの歯を削ってセラミック（陶器）製の差し歯を被せる方法です。歯の色を美しくすることはもちろん、大きさを変えたり、歯並びを同時に整えたりすることができます。前歯の治療ですから、見た目には慎重になりますが、オールセラミックであれば、充分美しく、自然の歯と比べても違和感のない仕上がりになります。ただし、歯を削る量が比較的多いことがデメリットです。また、見た目のよいものを選ぶと、値段も高くなります。
それぞれの治療法の値段についてですが、ラミネートベニアは審美歯科の治療の中でも保険適用外のものであるため、1本あたり６～１２万円と、安くありません。また、セラミッククラウンは、材質によっても違いがありますが、見た目のよいオールセラミックを選ぶと、保険が適用されず、1本あたり９～１５万円です。
前歯はどうしても目立つ部分ですから、見た目も重視することになり、値段もそれなりに高くなります。審美歯科で実際にカウンセリングをして、納得できる治療法を選びましょう。長年のコンプレックスが解消されて、自信を持って笑えるようになるといいですね。
