何らかの理由で歯を失った場合の治療法の一つがブリッジです。歯を失った部分の両隣の歯をいわば橋桁としてダミーの歯を付ける方法です。失ったのが1本であれば両隣1本ずつの2本で本来なら3本分の噛む力を支えることになるので、両端の歯に通常よりも多くの負担がかかるというデメリットがありますが、インプラントが難しい場合や、部分入れ歯に抵抗がある場合によく採用される方法です。

前歯のブリッジは保険内でも白くできます。しかし、表がプラスチックで裏が金属になるので、審美性がいいとは言えません。そんな時におすすめが審美歯科での治療です。審美歯科ではその名のごとく審美性に重きをおいた治療を行います。審美歯科なら前歯もセラミックやジルコニアなどを利用して白くてきれいな歯にすることもできます。ただ、審美目的なので健康保険がききません。そのため高額な治療費が必要となるのです。

具体的には審美歯科では前歯にはジルコニアセラミックを用いることが多いようです。全て陶器のオールセラミックは審美性には優れていますが、ブリッジは長さがあるためきしみやたわみが発生します。陶器は硬くて丈夫ですが、そういった柔軟性は持ち合わせていないのです。そこで利用されるのがジルコニアセラミックです。オールセラミックの前に主流であったメタルボンドは内側が金属ですが、ジルコニアはその金属の部分がジルコニアです。これなら経年劣化で金属が溶け出す心配もありませんし、陶器から金属が透けるということはありません。審美性と機能性の両方を兼ね備えた仕上がりになるのです。気になるお値段ですが、1本あたり10万から20万円なので、本数をかけたのがその値段となります。つまり3本であるなら10万円×3で30万円です。ただ、ジルコニアは歴史が浅いため、予後の経過が詳しくはわからないというデメリットがあります。それでも保険内の治療よりは格段に美しい仕上がりになるので、選択する人が増えています。